多摩モノレール延伸で大変身する「武蔵村山市」 鉄道空白地帯の汚名返上で見込まれる、想像以上のポテンシャル
延伸を渇望する武蔵村山市民

多摩都市モノレール(多摩モノレール)の延伸計画が進んでいる。対象となっているのは、現在の終点になっている、上北台駅(東大和市)から箱根ヶ崎駅(瑞穂町)までの区間だ。上北台駅から西へ進み、八高線の箱根ヶ崎駅付近に達する。
素案では、新駅の配置は
・東大和市:1駅
・武蔵村山市:4駅
・瑞穂町:2駅
となっており、全駅の約6割が武蔵村山市内にできることになる。
東京新聞10月18日付の記事によれば、着工時期は「順調にいけば3年程度後」という。10月から地元説明会が始まり、特に武蔵村山市の熱気が増している。なぜなら、同市は東京都で唯一
「鉄道がない市」
だからだ。鉄道は市民の長年の悲願なのである。現在の多摩モノレールの路線図は、次のとおりだ。
「上北台~桜街道~玉川上水~砂川七番~泉体育館~立飛~高松~立川北~立川南~柴崎体育館~甲州街道~万願寺~高幡不動~程久保~多摩動物公園~中央大学・明星大学~大塚・帝京大学~松が谷~多摩センター」
計画自体はこれまでに何度もあったが、頓挫を繰り返してきた。明治時代、八王子から群馬県の大間々町(おおまままち。現・みどり市)を結ぶ阪東鉄道が計画されるもかなわず。
大正時代には箱根ヶ崎から吉祥寺・新宿方面に向かう村山軽便鉄道が地元有力者によって計画された(計画ルートは免許下付〈かふ〉時点で、箱根ヶ崎~吉祥寺間に)。ところが、この権利は川越鉄道に譲渡され計画は立ち消えた(具体的な経緯は不明)。
さらに、1960年代には吉祥寺から箱根ヶ崎、青梅を通り、秩父へ向かう武州鉄道が計画されるも、ずさんな計画のまま疑獄事件に発展、あえなく消滅した。結局、いままで鉄路が敷かれたのは
・村山貯水池(多摩湖)
・山口貯水池(狭山湖)
を建設する際の、貨物を運ぶトロッコ列車のときだけだった。