せっかく登場した「新しい乗り物」の数々が、ことごとく日本人に受け入れられていないワケ

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高齢化に伴う免許返納後などの対応策として期待される「グリーンスローモビリティ」。こうした新たなモビリティが日本で定着するために必要なこととは何か。

そもそも日本の交通網は“便利過ぎる”

自動運転システムの試乗会の様子(画像:渡辺たかとし)
自動運転システムの試乗会の様子(画像:渡辺たかとし)

 グリーンスローモビリティに関して、車載機器商社の東海クラリオンが行ったウェブトーク(2022年9月)では、ゲストのジョルダン取締役で戦略企画部統括部長の佐藤博志氏が「地方とグリーンスローモビリティの必要性」を強くアピールした。

 それによると、日本では地方だけでなく首都圏を含めた全国が危機的状態にあるとし、言葉だけ独り歩きしているMaaSを日本に必要な形でしっかり理解する必要があるという。

 MaaSとは「モビリティ・アズ・ア・サービス」の略称で、直訳すると「サービスとしての移動」となる。単なる移動手段ではなく、自動運転・AIなどさまざまなテクノロジーを融合させた次世代交通サービスと言われているものだ。

 このMaaSの中にグリーンスローモビリティも含まれている。

 ただ佐藤氏は、単純に“便利な乗り物”が出来たからといってモビリティの存在価値が上がるわけではなく、旅行先や買い物のための出先などで「より便利に移動したい」と感じたときに初めて、モビリティの存在価値が出てくるという。

 その理由は、もともと日本の公共交通機関がよくできていることに由来する。

 要するに、日本はすでに非常に便利な状態なので、日本流のMaaSとしては“移動する目的”をしっかり提供したうえでモビリティを利用する、という流れを造り出すことが必要であり、それこそが日本流MaaSという考えのようだ。

 グリーンスローモビリティはMaaSのひとつのピースとして、地方自身がその魅力を伝え、つながり、誘致し、産業を興すことが重要であると語った。

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