「熊本空港アクセス鉄道」有力ルート浮上も 黒字転換は30年以上ムリ! TSMC上陸に揺れる現地に、地元紙も思わず苦言の現実

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豊肥本線延伸による、熊本空港アクセス鉄道の建設を巡って議論が白熱している。肥後大津ルートで決定するのか。

どのルートも40年以内に黒字転換できず

TSMCの新工場の建設される第二原水工業団地(画像:(C)Google)
TSMCの新工場の建設される第二原水工業団地(画像:(C)Google)

 TSMCの進出に主眼を置いて考えると、地域対立の問題も浮上する。

 新工場の建設される第二原水工業団地は豊肥本線の北側に位置しており、位置的には原町駅と肥後大津駅の中間になる。こうなると半導体産業の拠点への最寄り駅が

「菊陽町にできるのか、大津町にできるのか」

という問題になり、非常に根深い問題となってくる。

 菊陽町は豊肥本線の光の森駅を中心として熊本市に隣接する、東部のベッドタウンの中心的存在だ。既に開発が進んでいるエリアへのテコ入れを果たす三里木ルート、あるいは原水ルートを放棄して、肥後大津ルートを選択することは将来性があるのだろうか。

 なにより、国の補助が確約されていないことを理由に、空港アクセス鉄道の建設自体を疑問視する声もある。空港アクセス鉄道に関する国の補助率は、事業費の約18%以内だ。さらにJR九州が国の補助分以外の3分の1を負担しても、熊本県の負担は大きい。地元紙『熊本日日新聞』9月13日付のコラムは、この点について

「いずれのルートを選んでも、国の特別な補助かさ上げがない限り、累積資金収支は40年以内に黒字転換できないという。それは鉄道事業の採択が見込めないことを意味する。県は「国策」であるTSMCの進出をてこに国の支援を引き出したいようだが、勝算はあるのだろうか」

と指摘している。

 空港アクセス鉄道は、このまま「絵に描いた餅」となるのか。とにかく議論が白熱していることだけは確かだ。

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