ネットで話題 石破茂「ローカル線廃止は無責任」発言の真意とは? 親子二代を貫く地方インフラへの情熱をひも解く

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自民党の石破茂元幹事長が都内のイベントで、地方路線に関して発言。インターネット上で話題となった。その発言の裏にあるものとは。

山陰新幹線にかける石破氏

山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議のウェブサイト(画像:山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議)
山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議のウェブサイト(画像:山陰縦貫・超高速鉄道整備推進市町村会議)

 そんな石破氏はかねてより、大阪市から鳥取・島根を経由して下関市へ向かうことを想定した山陰新幹線の実現に情熱を傾けている。

 山陰新幹線は1973(昭和48)年の基本計画で大まかなルートが示されているものの、具体的な進展は見られなかった。動きがあったのは2016年。北陸新幹線の敦賀以西ルートの検討にあたり、一部区間の共通化が検討されたのだ。敦賀以西ルートに京都府北部を選定し、将来的には山陰新幹線の一部にしようとするものだった。

 当時、石破氏は

「出生率の低い東京への人口集中が地方の衰退につながる。山陰新幹線が実現すれば地域に雇用と所得をもたらす。山陰の発展は、日本全体のためになる」

として、山陰新幹線の早期実現を求めている。

 人口も経済規模も小さい鳥取県だが、現在も地域経済が維持できている理由は交通インフラが整備されていたからだ。鳥取県は日本海沿いに長い海岸線を持つが、良港は少ない。冷戦以降は日本海を挟んだ対外貿易も振るわなかった。それでも、地域が維持できたのは、鉄道と道路がある程度整備されていたからにほかならない。

 今回の石破氏の発言からも、交通インフラは「たとえ赤字でも存在することに価値がある」と、筆者は改めて感じている。

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