シェアサイクルの「駐輪場」もはや迷惑施設か? 相次ぐ返却トラブル、サービス人気だけに現状が悔やまれる
全国的に普及しているシェアサイクルだが、その一方で抱えている課題も多い。いったい何か。
普及するシェアサイクル
シェアサイクルが全国的に普及している。大都市はもちろんのこと、中規模以上の都市や観光地では、大手各社や自治体運営のシェアサイクルを当たり前のように見かける。
近年、コロナ禍で感染を避ける目的で利用者が増え、短距離移動の便利な交通手段として定着した。その普及とともに、取り組むべき問題も明らかになっている。
豊島区と葛飾区以外、東京都内の自治体は大手サービスの
・ドコモ・バイクシェア(ドコモ・バイクシェア)
・ハローサイクリング(オープンストリート)
のどちらかを利用している。
また、シナネンモビリティPLUS(ダイチャリ)が、セブン-イレブンとファミリーマート、ローソンのコンビニ大手3社と提携し、事業を拡大している。ということで、今ではスマートフォンにドコモ・バイクシェアとハローサイクリングのアプリをいれておけば、比較的スムーズにシェアサイクルを利用できると言える。
可視化され始めた問題
一方、普及したことでさまざまな問題が可視化されている。そのなかで最も大きなものは、
「サイクルポート(駐輪場)設置場所の拡大」
だ。
事業を実施している区に話を聞くと、自転車台数の増加以上に、これには頭を悩ませている。ある区では、職員が区内を歩いて
「サイクルポートが設置できそうな私有地を探している」
というところも。既に多くの区では公共施設はほぼ使用済みで、これ以上は広げられない。
中央区は、朝の通勤・通学時間帯に、湾岸方面からシェアサイクルに乗った人が大勢で走る――という問題に頭を悩ませている。同区はドコモ・バイクシェアに加入しているが、サイクルポートがあれば最も便利な銀座周辺は空白地帯となっている。渋谷区も、鉄道駅から離れた地域の西部地域にはほとんど設置されていない。