ボンバルディアはなぜビジネスジェットに「賭けた」のか 鉄道車両も旅客機も手放して

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カナダのボンバルディアがコロナ禍でも業績を維持している。世界的な航空機メーカー、鉄道車両メーカーとして名を馳せた同社だが、いまはほぼ「ビジネスジェット専業」。なぜ数々の事業を手放したのか、そしてなぜ追い風に乗れたのか。

好調ボンバルディアの「影」

 他の航空機メーカーに比べて順調に業績が回復しているボンバルディアだが、不安要素も存在している。

 大がかりなリストラの断行によってボンバルディアを再建したアラン・ベルマール氏は、ボンバルディアの経営低迷の原因のひとつがボードワン一族の同族経営にあると見て、同一族の影響力排除に務めていたが、ローラン・ボードワン氏の子息でボンバルディアの経営会議議長を務めるピエール・ボードワン氏はこれを忌避して、2020年5月にベルマール氏をCEOから解任している。

 ベルマール氏の解任の影響を予測するのは難しいが、ベルマール氏の進めてきた同族経営からの脱却路線が継承されるか否かも、今後のボンバルディアの浮沈をにぎる鍵のひとつとなるのではないかと、筆者(竹内修:航空ジャーナリスト)には思われる。

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