飛行機どこいった? ANA発のスタートアップ企業がなぜか「移動しない」サービスを提供しているワケ

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モビリティ分野のスタートアップ企業トップにインタビューするシリーズ企画。第3回目は、ANA初のスタートアップ企業として、ロボティクス、AI、VR、AR、通信などの技術を結集して、社会課題解決に挑戦しているavatarinの深堀昂代表取締役CEO。

アバターネットの実現へ向けて

アバターショッピングの様子(画像:avatarin)
アバターショッピングの様子(画像:avatarin)

「アバターについての課題はまだまだ多い」

と深堀は考えている。技術的なブレークスルーが必要だと考えるポイントも多い。しかし「今やらないでいつやるのか」という意思のほうがもちろん勝っている。「何回生まれ変わってもやりますよ」と笑う。

「瞬間移動できれば、いろんなことが解決できると思います。人間と違って、アバターは必要があればパワーアップできるので、人間の限界も超えられます。例えば、新型コロナウイルス発生時に、アバターのウイルス専門医が武漢の現場に50人入っていれば、コロナ禍は発生していなかったかもしれません」(深堀)

 ロボットをはじめとする産業技術において、最上位にあるのは人間の意思だ。しかし、そこには生まれた場所や現在地、言語などの乖離(かいり)がどうしても生じる。しかし、アバターを移動手段としてとらえると見え方は変わってくる。意識をアバターが運んでくれることで、「人類がこれまでにないスピードで近づく世界ができる」と深堀は考え、実際にそのようになりつつある。

 夢のなかにあった世界が、アバターがリアルなサービスに組み込まれることで実現されると深堀。テスラのスペースXのような民間の宇宙企業が現在は話題で、人たちの視点はまだ「宇宙旅行」に注がれている。しかし、アバターが普及すれば「移動」の定義が変わり、人類とモビリティは進化するだろうと考えているからだ。

 avatarinが世界最大のネットワークとしてアバターネットを実現するまでには、解決すべき技術やサービスの壁がある。しかし、その壁を越えたとき、わたしたち人類の存在する世界は、地球上であれ宇宙であれ一瞬にしてつながっていくのだろう。そして、移動や距離の問題で解決されていない、さまざまな社会課題も解決されていくのかもしれない。

 さまざまなモビリティ技術が目まぐるしいスピードで進化し続ける今、「アバターイン」することも見逃せない手段のひとつだ。

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