「原油高」で米国の日本車シェアが上がる? 日米の新車販売を左右する要因とは何か
米国では在庫・インセンティブ・フリード販売

米国乗用車新車販売台数は、米調査会社が集計している。そして、毎月の販売水準が年間続いたら何万台になるかという「年率換算の季節調整値(SAAR:Seasonally Adjusted Annual Rate)」が投資家から注目される。
特徴としては、前月のデータが翌月の第3営業日に公表されるため、速報性が高いことがある。そして、車を購入時にはローンを組むことも多いため、住宅着工件数と並んで金融政策の影響を受けることになる。
そもそも、米国経済は世界の国内総生産(GDP)の4分の1を占めており、その7割以上が個人消費だ。中でも、食料品など生活必需品は景気に関係なく安定的に売れるが、比較的長期間にわたって使用されることが多い耐久消費財は景気に左右される。そして、その耐久財の4割近くを占めているのが乗用車だ。このため、米国の新車販売台数は、米国の景気動向を判断するのに非常に重要な指標といえる。
これまでのデータを見ると、7月のSAARは6月の1323万台から1351万台と若干拡大した。それでも半導体不足に中国ロックダウンの影響が加わっており、前年同月と比べると8.8%低い水準になっている。
ただ、新車販売が低調だからといって米国の新車需要が乏しいわけではない。米国の新車需要を判断する上では、
1.ディーラー在庫
2.インセンティブ
3.フリート販売
の動向が重要となる。
そして足元の状況を見ると、ディーラー在庫は供給不足の影響で枯渇している。また、インセンティブはメーカーがディーラーに対して支払う販売奨励金またはディーラーに対して便宜を図る販売奨励策のことだが、こちらも数十年来最低の水準になっている。
さらに「フリート販売」とは、レンタカー会社に買い戻し権付で自動車を販売することだが、こちらも足元では一部企業で欠如している。そもそも米国では、労働市場が好調なことからすれば、米国の潜在的な自動車買い替え需要はかなり積み上がっており、自動車の供給制約さえ改善すれば、米国の自動車販売は旺盛な状況が続くことが予想される。