EVの「台車だけ」でも自動運転可能な多目的プラットフォーム 帝人と豪社が開発
帝人とオーストラリア企業が共同で、自動運転可能なEVの「多目的プラットフォーム」を開発。ほぼシャシーあるいは台車と呼べるもので、車体はこれからの課題だが、実にグイグイと走るようだ。
運輸から交通、工業、医療用途まで想定
帝人は2021年2月2日(火)、LS-EV(低速EV)の軽量化に向けた開発パートナーであるオーストラリアのApplied EV社(以下AEV社)と共同で、自動運転への対応が可能な多目的プラットフォーム「BlancRobot」(ブランク・ロボット)を開発したと発表した。
簡単にいうと、EVのシャシーあるいは台車と呼べるものだ。バッテリー、モーター、ブレーキのほか走行を管理する電子制御ユニットなどの機能が内蔵されており、用途に合わせた車体を搭載して自動走行できるとのこと。資料映像を見ると、この台車単独で自在に自動走行を行っている。
これには帝人グループのガラス繊維複合材料と成形技術が用いられており、これまでAEV社が開発してきた多目的LS-EV向けプラットフォームのアルミ製トップカバーに比べ、約20%ほど軽量で、かつ約4平方メートル面積が広くなったそう。またシール性に優れ、限られたスペースに内蔵した自動走行に必要な機能を水や熱などから保護できるという。
帝人らは2022年後半にもブランク・ロボットを使用したEVの実用化を目指すとしている。運送・工業・医療・一般交通など幅広い用途での活用を想定しているとのこと。今後、ブランク・ロボットならびに車体設計や走行技術の向上を図っていくという。