かつては訴訟ラッシュで廃港寸前! 大阪「伊丹空港」がいまや支持絶大なワケ
公害問題で、かつては廃港寸前だった伊丹空港。しかし今や、関西空港よりも人気に。いったいなぜなのか。
伊丹発着便から航空券が売れていく現実

現在も、空港周辺への配慮は続いている。
例えば、関西エアポートと地元自治体は、対象地域に対し、エアコンの取り替えや防音サッシ修理など住宅の防音に関する工事にかかる費用の助成を行っている。一方、伊丹市では、航空機の騒音を監視する測定局を市内3か所に設置。このような状況をみると、伊丹空港の騒音問題がいまだ続いているような印象も受ける。
かつては「ジャンボジェット」と呼ばれた大型機が伊丹空港へ向かって上空を次々と飛来。そのたびに、空港周辺ではまさに爆音並みの騒音がした。しかし今は旅客機の進化もあり、騒音はずいぶん静かになった。
また、滑走路の運用も朝7時から夜21時までに制限されている。21時を過ぎて到着する便は、出発空港へ引き返すか、関西空港への着陸を余儀なくされているのだ。
このような厳しい運用時間制限が設けられても、伊丹空港の人気は高い。東京大阪間を頻繁に行き来するビジネスパーソンによく利用され、搭乗回数の実績で付与される「上級会員」もとても多い。
いわゆる客単価が高いため、航空会社にとってもドル箱路線だ。東京(羽田)をはじめ、札幌(新千歳)や沖縄(那覇)などには関西空港発着の路線もあるものの、伊丹空港発着便のほうが、運賃が多少高くても人気があるのが現状だ。
新型コロナウイルス禍で減便が相次いだ際も、ANAやJAは伊丹発着より関西発着の便にて運休が相次いだ。筆者(シカマアキ、旅行ジャーナリスト)が伊丹から新千歳へ向かおうとした際にも、伊丹便しかなかった。関西空港では減便の影響で、カウンターやラウンジが部分営業となったことも。航空会社もあくまで民間企業。有事になると
「日頃の人気の差」
がさらに顕著に表れると感じた。