実は画期的? 新京成電鉄の電車&バス、同じ「カラーリング」なワケ

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新京成電鉄グループ会社のバスのカラーリングは電車と同じである。一体なぜなのか。

同じカラーリングは画期的

JR西日本87系気動車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(画像:岸田法眼)
JR西日本87系気動車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」(画像:岸田法眼)

 鉄道事業者系バスのカラーリングは、鉄道車両と異なるのがほとんどで、合わせることはまれであり、画期的でもある。

 例をあげると、東急電鉄の現役ベテラン電車(9000系など)と東急バスのカラーリングがほぼ同じ、横浜市交通局がかつて運営していた市電(路面電車)のカラーリングは市営バスとほぼ同じなので、わかりやすく、親しみやすい雰囲気がある。

 JR九州バスではJR九州のクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」専用のバス、中国ジェイアールバスではJR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」専用の瑞風バスを用意し、途中下車駅から観光地への案内役を務めている。いずれも車体のカラーリングを同じにすることで、超豪華列車に乗り続けた気分にさせてくれる。

 新京成グループが電車と路線バスのカラーリングを一体化させることで、認知度の向上とブランド力の強化を目指し、“住みやすい沿線”の確立を図ってゆくことだろう。

新バスの導入完了は2030年代半ば

特別感が漂う瑞風バス(画像:岸田法眼)
特別感が漂う瑞風バス(画像:岸田法眼)

 新京成グループデザインバスの最大の難点は、導入完了まで10年以上を要することだ。

 これには理由があり、新京成電鉄の電車と異なり、

・リニューアル
・塗装変更

といった更新作業が行われていないからだ。

 主力の8800形は1985(昭和60)年の登場以来、廃車が1両も発生していないのに対し、バス車両は毎年新車の納入と廃車を繰り返す。

 このため、新京成グループデザインバスは新車に限定することで、コストを抑えたものだろう。また、バス車両は1台につき最長13年使用されることから、新京成グループデザインバスの導入完了が2034年になることも考えられる。

 別の視点で述べると、新京成電鉄のブランドスローガンは「まいにち、ちょっと、新しい。」だ。新京成グループデザインバスのスローペース導入を体現しているといっていいだろう。

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