音楽とネット大好きな21歳青年が、ひょんなことから「キッチンカー」配車サービスの社長になったワケ

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モビリティ分野のスタートアップ企業トップにインタビューするシリーズ企画。第1回目は、キッチンカーと出店場所をマッチングするプラットホームの運営会社「Mellow」の森口拓也社長。

10億円の資金調達、信用力向上を図る

マンションでの昼の営業風景(画像:Mellow)
マンションでの昼の営業風景(画像:Mellow)

 2022年6月28日(火)、Mellowは9社から10億円という大型の資金調達を行ったと発表した。出資者はトヨタファイナンシャルサービス、三菱地所、東急不動産ホールディングス、清水建設などのほか、損保ジャパンや東京海上日動などの保険会社も含まれる。

 これまでキッチンカーには専用の保険商品がないことが問題だったとMellowは考えており、移動販売と移動販売とITテクノロジーが進化する中、さらにパッケージを強化することによって、安心して出店できる仕組みを整えていく方針だ。

 10億円という額は、それだけキッチンカーの事業が将来性のあるものと考えられている証左だと言えるだろう。

 キッチンカーでの出店は、消防関連の届け出が必要だったり、エリアごとに行政管轄が違って営業許可取得の際の規定が異なったりする。システムがバラバラな中、Mellowはプラットホームとして出店者が出店しやすいよう、高い基準のレギュレーションを設定してプラットホームの仕組みに組み込むなどの取り組みも進めてきた。

 これはMellowの強みであり、ここに保険商品が加わることで、ほかに類をみないサービスを提供できることにつながるだろう。

出店者と利用者の利便性を上げる努力

 Mellowでは、出店者に平均売上などを週次で集計して提供している。エリアの中で自分の店の売り上げが悪かった場合に、立地のせいなのか、ほかの要因があるのかがつかみやすく、すぐに改善につなげることができる。

 これは実店舗や個人で活動するキッチンカーではできない。システムを通じてこうしたソリューションを提供することで、出店者と場所のポテンシャルをより高めることができるのだ。

 同時に、フードを購入してくれる顧客の利便性の向上にも目を向けている。世の中はスマートフォンなどでのプレオーダーが増加傾向にある。そうし流れもふまえ、キッチンカーに特化したプレオーダーアプリを開発中だ。

 しかし、ワンオペも多い1600台の事業者それぞれのオペレーションに合わせたアプリを開発することは簡単ではない。そのため、まずは一部地域から展開を開始し、今後数年をかけて全国への展開を目指しているという。

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