音楽とネット大好きな21歳青年が、ひょんなことから「キッチンカー」配車サービスの社長になったワケ

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モビリティ分野のスタートアップ企業トップにインタビューするシリーズ企画。第1回目は、キッチンカーと出店場所をマッチングするプラットホームの運営会社「Mellow」の森口拓也社長。

一皿のパエリアが変えた? Mellowの歩み

 Mellowの現在の事業は、石澤正芳会長が2000年代初頭から手掛けていたビジネスがもとになっている。

 キッチンカーに可能性を感じた石澤氏が、キッチンカー事業者の「個の強さ」に衝撃を受け、空きスペースとキッチンカーのマッチング事業を立ち上げたことが始まりだ。石澤氏の力で、都内最大規模(当時)まで成長させたことからも、かなりの情熱を注いだことがうかがえる。キッチンカーはそれほどまでに魅力的だったのだ。

 石澤氏がキッチンカーの事業を手掛け始めた頃、のちに「Forbes 30 under 30 Asia」に選出されるほどの手腕を見せることになる森口氏は、音楽とインターネットに親しむ大学生だった。音楽系のアプリを作ろうと思い立ったのが2013年、21歳のときに最初の会社を創業し、売却するとともに売却先の傘下に入った。そのときに誘われたのがMellowの立ち上げだったという。

 初期のMellowに参加していたキッチンカーは150台ほど。石澤氏のネットワークで集まった事業者たちだった。平日の銀座や代々木公園付近などが主な出店場所だった。

 飲食に関しては門外漢だった森口氏だが、Mellowはキッチンカー事業者のプラットホームづくりを目指しており、アプリビジネスの仕事とは違いがあるとはいえ、大きな違和感はなかったと森口氏は語る。

 ある日、森口氏は会社の人間たちに連れられて、キッチンカーが出店している場所を訪れた。東銀座の歌舞伎座がある辺りだ。そこで勧められるままにパエリアを食べた。そのパエリアがとてもおいしかったと、森口氏は言う。そして、おいしさとともに感じたものがある。それは「場の持つ豊かな空気感」だった。

 アプリビジネスもすばらしいものであるが、いかんせん利用者の顔がリアルには見えてこない。キッチンカーで働く人、買って食べる人、そういった関係者の姿がリアルに見えることで、とても豊かな場であると感じられた。

 この経験から「リアルの場があるビジネスはよいものだ」と感じ、さらに仕事をしていく中で「街づくりそのものに大きな変化をもたらすポテンシャルが潜んでいる」と気づいた。

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