鉄道で「富士山5合目」まで登る? 山梨県が計画も、地元は反発「富士山登山鉄道構想」をご存じか

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富士山の有料道路に線路を敷設する「富士山登山鉄道構想」とは何か。経済効果のほどは。

富士山に向かう四つのルート

吉田ルート(画像:富士山における適正利用推進協議会)
吉田ルート(画像:富士山における適正利用推進協議会)

 ただ、この計画は危うさを秘めている。それは、富士スバルラインを拡幅せず、既存の道路上に線路を敷設することだ。

 富士山には

・吉田ルート
・須走ルート
・御殿場ルート
・富士宮ルート

という四つの登山ルートがある。富士スバルラインが接続するのは、吉田ルートだ。

 吉田ルートは、首都圏からのアクセスに優れた登山ルートとして知られている。2019年時点で、このルートを使った5合目の来訪者数は、約506万人となっている。試算では、この利用者の多くが往復1万円を払っても利用するとされている。

 ただ、富士山駅・河口湖駅~富士スバルライン5合目間の往復バス料金は現在、2300円だ。実に4分の1。そこまでして高い料金を払う人はどれだけいるだろうか。

 ちなみに、この料金は立山黒部アルペンルートを比較検討して設定されている。このルートは立山駅~黒部ダム間で往復9300円。単にバスで上り下りするだけの富士山と違い、バス、ケーブルカー、ロープウエー、トロリーバスに乗って、この値段である。そう考えると、富士山の往復1万円はかなり高価なのではないか。

地元観光連盟も反対に転じた

富士五湖観光連盟のウェブサイト(画像:富士五湖観光連盟)
富士五湖観光連盟のウェブサイト(画像:富士五湖観光連盟)

 そんなこともあってか、計画は早くも難航している。2021年5月には富士五湖観光連盟会長で富士急行社長の堀内光一郎氏が

「限られた裕福な方々だけが富士山に行くことができ、富士山・富士五湖観光にとって悪い方向に向かっている」

と明確に反対を表明している。

 富士五湖観光連盟は、もともと鉄道計画を支持する立場にあったが、現在の計画では

・運賃が高額
・電気バスの技術が進みLRTに優位性がない

ことなどから反対に転じている。さらに地元の富士吉田市でも慎重論が出るなど、今回も計画の行方は不透明だ。

 火山での登山鉄道といえば、「フニクリ・フニクラ」で知られるイタリアのベスビオ火山だ。歌は有名だが、肝心の登山電車は

「噴火で破壊」

されて、あえなく廃止に追い込まれた。現在では道路が整備され、多くの観光客でにぎわっている。

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