地震・豪雨に負けない! 熊本「くま川鉄道」25年度全線再開はローカル鉄道の希望となり得るか

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2020年7月の豪雨で被災したくま川鉄道が、2025年度中に全線で運行を再開する。人吉温泉~湯前間を結ぶ同路線。今後の復興には何が必要なのか。

くま川鉄道を救ったアニメ&ゲーム作品

2020年10月の人吉市の様子(画像:昼間たかし)
2020年10月の人吉市の様子(画像:昼間たかし)

 復旧は、そうしたなかで決定した。今後のくま川鉄道に求められているのは、いかにして

「通学以外の利用者」

を増やせるかだ。

 沿線人口が減少するなかで決め手となるのは、言うまでもなく観光客の利用である。コロナ禍前の2019年、くま川鉄道の外国人客は1104人(前年度比40%増)となっていた。これは、台湾を中心に営業活動を強化した結果だ。

 また、くま川鉄道は近年、全国で試みられている漫画やアニメを使った街おこしで成功している。2020年に『レヱル・ロマネスク』のタイトルでアニメにもなったゲーム『まいてつ』の聖地なのだ。制作にあたって、シナリオライターの進行豹(ひょう)氏が、SLの走っている路線を舞台にしようということで、くま川鉄道とその沿線をモデルにした。

『まいてつ』は2016年3月に発売されたが、直後に熊本地震(同年4月)が発生。復興を支援する目的で、作品とコラボした「くま川鉄道応援切符」が発売された。ただ、『まいてつ』はアダルトゲームだったこともあり、制作会社は非難を避けるため『まいてつ』のタイトルを使わず、名称を

『くまてつ』

とし、さらに無償で協力した。

 ところが人吉市議会で一部の議員が

「アダルトゲームに酷似しており、青少年健全育成上でも問題」

と非難。切符は発売中止に追い込まれた。

 関係者いわく

「終わった……と思った」

そうだが、状況は好転する。

 元のゲーム内容がなんであれ、地元では歓迎する人のほうが大半だったのだ。結果、2019年にアダルト要素を削除したプレイステーション4版が発売された際には、現地の人たちの発案によるイベントも実施された。

復興産業は明るく、観光業は暗い現実

「まいてつ Last Run!!」のウェブサイト(画像:Lose)
「まいてつ Last Run!!」のウェブサイト(画像:Lose)

 ゲームファンはとても重要だ。なぜなら鉄道が運休していても、彼らは現地にやってくるのだ。

 実際、人吉へつながるJR肥薩線が運休している現在、人吉市へ到達するのは、かなりの困難を伴う。手段は、

・熊本駅
・新八代駅(九州新幹線)

から高速バスでアクセスするしかない。しかも、高速バスは人吉市街地までは行かず、九州自動車道の人吉IC停留所にしか止まらない。ただ、逆に到達に一苦労することが、今では余計に魅力になっているのかもしれない。

 今後復旧に近づくなか、現在の強みを生かして利用者をどう増やしていくかが、くま川鉄道に求められている。

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