驚異的な熱効率! 蒸気機関に替わる革新の「ガスエンジン」19世紀の誕生ルーツをたどる
19世紀に革新をもたらした動力機関「オットー・ランゲン・ガスエンジン」。その誕生の歴史をたどる。
パリ万博後に実用化、初の成功作
オットー・ランゲン・ガスエンジンが熱効率に優れていた理由。それは基本構造がシンプルだったというのもあったが、最大の理由は極めてストロークが長かったことと言われている。
パリ万博に出品された個体の場合、ピストンボアは150mm、ストロークは実に900mmに達しており、圧縮行程がないことも良い方向に作用した。
ここでは、圧縮行程に対して燃焼行程を長く取ることで熱効率の向上を目指した後年のアトキンソンサイクルと考え方がダブる。
ちなみにこうした構造の内燃機関の設計案は、オットーとランゲンのオリジナルではなく、1857年にイタリア人のバルサンチとマテウチが試作していたものがルーツと言われているが、バルサンチとマテウチの機関は安定した運転とともに実用化されることなく終わった。
オットー・ランゲン・ガスエンジンはパリ万博後に実用化とともに商品化され、オットー&シーにおける最初の成功作となった。
彼らの会社は1869年には事業拡大とともにガスモトーレン・ファブリーク・ドイツという新たな組織へと再編され、ほどなくしてゴッドリープ・ダイムラーとヴィルヘルム・マイバッハという後年にその名を残す優秀なエンジニアを迎えることとなった。
そして1876年には、ついに念願だった圧縮行程を設けた4ストロークサイクルエンジンの実用化に成功する。それまで製造されたオットー・ランゲン・ガスエンジンは1000台近くに上り、ライセンス生産品なども合わせると、相当数が欧米で普及したと言われている。
バリエーションは1/4hpから3hpまで存在したと言われており、改良型では回転ウエイト式のガバナーを装備することで低負荷時には燃焼を休止したこともあって、熱効率と機械効率はさらに向上していたという。