驚異的な熱効率! 蒸気機関に替わる革新の「ガスエンジン」19世紀の誕生ルーツをたどる
19世紀に革新をもたらした動力機関「オットー・ランゲン・ガスエンジン」。その誕生の歴史をたどる。
ユニークな構造、熱効率を倍増
オットー・ランゲン・ガスエンジンは、その基本構造を現代の内燃機関スペックと同様に表記するなら、無圧縮2ストロークサイクル倒立単気筒スライドバルブとなる。
ユニークだったのは、フライホイールと動力取り出しプーリーがセットされている上部出力軸とピストンとの連結は、コンロッド/クランクシャフトではなく、ラック&ピニオン/ワンウェイクラッチフリーハブだったということである。
構造と作動をもう少し詳しく説明するとこうなる。
まず、燃焼はピストンが下死点近くにある段階で、燃料となるガスと空気の混合物が吹き込まれ、ほぼ同時に常時燃焼状態にあったパイロットファイアー(タネ火)によって着火。燃焼というよりは小規模な爆発とともにピストンがシリンダー内を勢いよく上に持ち上げられることとなる。
ピストンには長いラックが剛結合されており、この動きはそのまま上部の出力軸のピニオンに伝えられたものの、この時点では出力として取り出されることはなく、ワンウェイクラッチによってピニオンは空転するだけだった。
実際に出力が発生したのは、上死点まで上昇したピストンが下降に転じた瞬間であり、ピストンはその自重および燃焼後のシリンダー内に発生した負圧、さらにはピストンの背面を押す大気圧によって相応の勢いで下降しピニオンを駆動。
上昇時とは異なる逆回転ゆえに、ワンウェイクラッチは固定され出力軸は回転するというもの。そしてこうした構造ゆえ、フリーピストンエンジンもしくは大気圏圧エンジンなどとも呼ばれることとなる。
最高回転数は毎分80回転程度で最高出力も1/2hpに過ぎなかったものの、前述した熱効率を高く評価された。