驚異的な熱効率! 蒸気機関に替わる革新の「ガスエンジン」19世紀の誕生ルーツをたどる

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19世紀に革新をもたらした動力機関「オットー・ランゲン・ガスエンジン」。その誕生の歴史をたどる。

世界初の内燃機関、燃費に課題

ルノアール設計のガスエンジン。1959年に特許を取得、1860年に初めて製造したこの方式は、世界初の実用的な内燃機関として有名。2サイクル、無圧縮、電気点火を特徴とする(画像:国立国会図書館)
ルノアール設計のガスエンジン。1959年に特許を取得、1860年に初めて製造したこの方式は、世界初の実用的な内燃機関として有名。2サイクル、無圧縮、電気点火を特徴とする(画像:国立国会図書館)

 これは同時代の標準的な蒸気機関にも劣る数字だった。熱効率が悪いということは、イコール燃費が悪いということである。

 使用していたガスはガス灯用の石炭もしくは石油ガス。シリンダーにはあらかじめ空気と混合した状態で注入していたが、燃焼前の圧縮が行われていなかったことから、十分なパワーを発生させることができなかった。

 オットーがルノワール型ガスエンジンの独自改良に着手したのは1861年頃のこと。ほどなくしてパワーアップと熱効率向上のためには燃料ガスと空気の混合物の燃焼前圧縮が必須であるとの理論を導き出す。しかし、圧縮行程を設けた試作エンジンは何度作り直しても始動から数分で破壊という有様で実用化にはほど遠いものだった。

 その後、オットーは友人のランゲンとともに、ルノワールのものを性能的に上回る新たな内燃機関を開発するため「オットー&シー」という会社を1864年に設立する。ただしこの時点でも理想的な圧縮機関は画に描いたもちだった。

 オットーとランゲンが新会社において新たな開発に着手したエンジンは、ひとまず圧縮機関から離れて、まずはルノワール型の熱効率を上回ることを目指した。それがここで紹介する1867年度パリ万博ゴールドメダルの縦型機関であり、その熱効率は8%に倍増していたと言われている。

 なぜこのようなことが可能だったのか? それは極めてユニークな構造に由来していた。

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