物流業界の「社会的地位」はなぜ上がらないのか? 後絶たぬ事故、コスト管理やモラル向上はどこへ

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業界全体のモラルが厳しく問われている物流。その現状を五つの観点から読み解く。

2. 物流事業規制緩和の実は上がったか

 物流事業規制緩和が施行されてもう30年以上が経過する。許可制を届出制に改め、参入ハードルを低くして競争を促した。

 ただし安全や業務の質向上を図る、経営力強化が求められた。運賃設定は自由化されたが、実体としてはそれ以前の国が定めた形やレベルが存続し、市場水準はそれを大きく下回っている。

 宅配便のような消費者向け業態では例外的に収益レベルは高いが、全体としては非常に厳しい経営状況に置かれ、これが負の要因になっている。

 目的達成どころか、このような困難な状況から事故やモラル低下が顕在化しているとも言える。これをどう脱却するかという経営努力が問われている。

 もちろんそれは業界側だけでできるわけではなく、物流に対する社会全体の認識や、荷主側等の責を問うべき部分もある。

 そして何よりも物流とは重要な社会インフラで、この力が世界的な経済競争のひとつの要素となっており、国としての責任でもある。

 だが物流業務のステータスを上げていかない限り、その目的は実現できない。

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