インバウンド本日受け入れ再開も 「マスク着用守れるのか」の心配 しかも恩恵はさほど期待できないワケ
インバウンド再開の即効性は限定的?

海外では、外国人旅行客の受け入れ再開が今春ごろから本格化し、入国時の陰性証明書の提示すら撤廃する国・地域も増えている。一方、日本国内では入国緩和に慎重な意見がまだ多くあるのも事実だ。
最たる懸念事項は、海外からの「ウイルス流入」だろう。コロナの感染拡大初期、日本は島国でありながらすぐに水際対策を強化しなかったことで、国内での感染が広がった。その後も変異株の感染者が帰国者や空港検疫を発端に次々と判明。そのため、外国人の受け入れ再開に抵抗感を抱く人が一定数いる。
今後、新たな変異株が発生した際、日本政府が迅速かつ柔軟に対応できるかという懸念も。先の5月に実証実験した際、参加した外国人ひとりの陽性が判明している。
また、日本ではまだほとんどの場所でマスク着用が推奨されている。一方、海外の多くの地域では着用義務がすでに撤廃され、電車の中も接客時もマスク不要だ。マスクを着け慣れていない外国人が、日本で残るマスクのルールを素直に守るとは到底思えない。入国緩和当初はツアー限定なので、添乗員が日本でのマスク着用のルールを徹底させる必要があるだろう。
日本人にとって外国人旅行客が増加すると、消費が増える一方で物価が高騰し、宿泊費も上昇するなど、ありがたい話ばかりではない。オーバーツーリズムに代表される観光地の混雑やマナーの悪化なども、このコロナ禍の2年でしっかり対策が強化されたのか疑問が残る。国も地方もコロナ対応に追われ、旅行業界には手が回らなかったのが本音ではないだろうか。
訪日外国人旅行客を国別にみると、2019年の約3188万人のうち、韓国が約560万人、中国が約960万人、台湾が約490万人、香港が230万人であり、合わせると総数の約7割を占めていた。これらの国・地域の人々は、個人観光ビザが緩和された中国も含め、添乗員付きのツアーより「個人旅行」を利用するケースが多かった。しかし現時点では、添乗員付きのツアーしか認められていない。特に、中国、台湾、香港では日本以上に厳しい水際対策が現在も続き、海外旅行の再開はめどが立っていない。
インバウンド再開への期待高まる日本の旅行業界。だが、その恩恵は当面限定的だろう。