インバウンド本日受け入れ再開も 「マスク着用守れるのか」の心配 しかも恩恵はさほど期待できないワケ
「爆買い」の訪日外国人、コロナで一転

日本政府が、訪日外国人旅行者の受け入れを進める理由のひとつは、日本でたくさん買い物をしたり、何泊も宿泊したりする「消費」行動にある。
観光庁が発表する「訪日外国人消費動向調査」によると、訪日外国人旅行客による年間旅行消費額は、訪日客が最も多かった2019年は4兆8000億円超。その後、2021年は試算値といえど1208億円まで急減した。
日本人の国内旅行消費額はコロナ前の10年ほどで、20兆円前後で横ばい状態が続いていた。今後、国内旅行も本格再開するものの、日本の人口減少に加え、多くの国民にとって物価上昇の一方で収入は増えていない。余暇に多くのお金をかけられる状況でなく、旅行消費額の大幅な増加は見込めないだろう。
訪日外国旅行客の急増は、日本の観光業界に大きな影響を及ぼした。中国人が高級ブランド品や家電製品を買いあさる「爆買い」をはじめ、観光地では土産物も大いに売れた。京都や富士山といった定番の観光地だけでなく、地方のマニアックな場所まで訪れるケースも増加。一般の日本人では到底泊まれないような高級宿に連泊する外国人旅行客は、旅館側にとっては“お得意さま”となった。さらに、海外在住者にとってお得さを感じる「円安」も、日本での消費に拍車をかけた。
新型コロナで訪日客が途絶えると、日本の観光業界は壊滅的な打撃を受けた。例えば、中国や韓国などからの旅行客が多かった大阪・ミナミの商店街では、乱立していたドラッグストアや免税店などが姿を消し、一気に「シャッター通り」となった。
旅行客の増加を見越して次々とホテルも新規開業したものの、もはや多すぎるその数にどこも稼働率は思わしくなく、価格相場は低迷。この2年あまり、なんとか生き永らえてきた旅行関係者にとっては「やっと」という思いが強い。
日本の航空会社も6月の入国緩和に合わせ、国際線では今夏以降、増便を次々と発表。外資系航空会社も徐々に日本便の数をコロナ前に戻しつつある。