「深夜バス」はコロナ後に復活するのか? 都営バス3路線休止の衝撃、時代の行く末を考える
新型コロナウイルス感染拡大で、交通機関のダイヤは大きく変化した。東京では都営バスが2022年4月4日をもって深夜バス3路線を休止している。
都営バス3路線が休止
新型コロナウイルス感染拡大で、交通機関のダイヤは大きく変化した。
テレワークが普及したことで会社員の通勤需要が減ったことに加えて、帰宅時間も早くなったことから電車・バスでは減便や終電の繰り上げが相次いだ。あくまで流行中の暫定措置だったが、コロナ禍のライフスタイルが定着したことで、これらの需要は戻らないと見られている。
結果、最も影響を受けた深夜バスの運行を見直す動きが出ている。
東京では都営バスが2022年4月4日をもって、
「深夜01(渋谷駅前~六本木駅前~新橋駅北口)」
「深夜10(西葛西駅前~臨海町二丁目団地前~西葛西駅前)」
「深夜14(東京駅八重洲口~月島駅前~深川車庫前)」
の路線を休止した。いずれも、コロナ禍で利用者が減少したことが原因だ。
都交通局では2021年4月、ゴールデンウィーク期間中の感染拡大を防ぐため、都営大江戸線や多摩モノレールとともに、都営バスの土休日ダイヤでの運行を実施した。この際、深夜バスの全便休止も実施している。
この非常措置は一般紙でも取り上げられたが、今回の深夜バス全面休止はまったく取り上げられていない。コロナ禍のライフスタイルの変化で、深夜バスの休止がもはや報じる価値がなくなったことがわかる
今回休止になった3系統の中でも「深夜14」は、人口増が続いている中央区・江東区の湾岸エリアと東京駅・有楽町エリアを結ぶ路線として、2017年4月のダイヤ改正で新設された路線だ。
東京駅・有楽町エリアから直通する交通機関の少ない湾岸エリアに鳴り物入りで登場したが、需要が失われた。ただ「廃止」ではなく
「休止」
としていることから、今後の状況次第で需要が再び見込まれるようになれば復活する可能性もあるだろう。