インバウンド本日受け入れ再開も 「マスク着用守れるのか」の心配 しかも恩恵はさほど期待できないワケ
外国人ツアー客の入国受け入れ再開
新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年春以降、外国人旅行者の日本入国が事実上禁止された。そして、世界的に感染が落ち着いたことなどで、日本の水際対策も徐々に緩和。2022年6月1日からは、1日当たりの入国者数の上限が1万人から2万人に引き上げられた。
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6月10日からは、最もウイルスの流入リスクが低い国・地域から、添乗員付きツアーに限定して外国人観光客の受け入れを再開する。旅行業界では、訪日外国人(インバウンド)を待ちわびる声が大きい。5月下旬には、アメリカやオーストラリアなどから招いた外国人ツアー客による、感染症対策の実証実験が政府によって行われた。
一方、感染が完全に収束しないなかでの受け入れ再開に慎重な声も多い。例えば、多くの外国人が入国することによって感染が再拡大するリスクだ。また、海外でほぼ撤廃済みのマスク着用問題も起こりかねない。感染対策など、国民への説明をしっかり行わないままの入国緩和に、懸念を示す人は少なくない。
訪日外国人旅行客、2021年は25万人まで減少
訪日外国人旅行者数は、コロナ禍前の5年で急増した。その数字は、観光庁のウェブサイトに載っている。
ビジット・ジャパン・キャンペーンを開始した2003(平成15)年は、年間約521万人。その後徐々に増加し、リーマンショックの2009年や東日本大震災があった2011年には若干減少したものの、その他の年には800万人前後で推移していた。
そして、2013年に初めて年間1000万人を突破。以降に訪日外国人旅行者数が急増したのは、中国人向けに観光ビザ要件を緩和したことが大きい。2019年にはのべ約3188万人に達した。
コロナが起きてからは、2020年は約412万人、2021年は約25万人にとどまった。それでも日本政府は、2030年までに訪日外国人旅行客数「年間6000万人」との目標を今も掲げている。