地下鉄七隈線「博多延伸」に沸く福岡市 市街地の再開発活況も、沿線の環境整備が先決だ
延伸区間は2023年3月開業

福岡市内で地下鉄七隈線延伸(天神南駅~博多駅間)の工事が進んでいる。2022年1月には、開業は2023年3月であることがアナウンスされ、地元では盛り上がりを見せている。日本における「アジアの玄関口」として機能してきた福岡市は、この延伸によってどう変わっていくのだろうか。
七隈線は、2005(平成17)年に開業し、現在は天神南~橋本間(約12km)を結んでいる。この路線開通で期待されているのが、乗り換えの利便性アップだ。
福岡空港は市街地に近い。地下鉄空港線を使えば、福岡空港駅から繁華街のある天神駅までは最短11分だ。ただし、七隈線では利便性が一段低かった。
前述のとおり、現在開通しているのは天神南駅まで。福岡空港駅から直結している天神駅とは約620mも離れている。延伸で開業する七隈線博多駅は、JR博多駅前広場の地下5階にある。空港線博多駅との距離は約150m。途中には動く歩道も設置され、改札を通らずに乗り換えが可能になる。
現在の七隈線は「暫定開業状態」

そうした利便性以上に期待されているのは、都市の発展だ。2013年12月の天神南~博多間の工事着手が起爆剤になり、福岡市中心部では再開発が進んでいる。
これまで、通勤通学で「ドアツードアは30分」が当たり前の福岡人にとって、七隈線はいまいち使いにくい路線だった。東京や大阪などの路線では当たり前だが、福岡人には天神南~天神間の約620mが「少し遠い」というイメージがあったからだ。
その使いにくさゆえか、七隈線は地元で
「朝、あまり混雑していない路線」
と言われている。
乗り換えの面倒くささを敬遠し、沿線住宅地の住民が七隈線開業以前のバス通勤を続けているからとも指摘されている。いわば、現在の七隈線は暫定開業状態なのだ。その実力が発揮されるのは、博多駅まで延伸してからということになる。