地下鉄七隈線「博多延伸」に沸く福岡市 市街地の再開発活況も、沿線の環境整備が先決だ

キーワード :
, ,
福岡市内で地下鉄七隈線延伸の工事が進んでいる。開業は2023年3月で、地元では盛り上がりを見せている

延伸部分の開発より重要なこと

七隈線終点の橋本駅前に広がる「木の葉モール橋本」(画像:(C)Google)
七隈線終点の橋本駅前に広がる「木の葉モール橋本」(画像:(C)Google)

 再開発に最も期待しているのは、現在の沿線住民だ。

 もともと七隈線は、路面電車の廃止などで交通不毛地帯になった六本松や、バスしか交通手段のなかった地域にできた路線である。鋭い読者はピンとくるかもしれないが、沿線は高度成長期以降に開発された地域で、団地も多い。いわば都市部で増加する人口を吸収していったエリアであり、そのぶん不便な点も多かったのだ。

 不便さが際立つのは、現在の沿線に目立った商業施設がないことだ。梅林駅から先では都市高速環状線の下を走るのだが、この先、駅の周りにはなにもない。地形的にもアップダウンが多く、駅周辺の開発も進んでいない。

 唯一、開発されているのは終点の橋本駅前だ。ここだけは駅前にショッピングモール「木の葉モール橋本」が立地しており、一戸建てか団地を除けば目立った施設のない七隈線沿線で唯一発展しているエリアである。

 ただ、橋本駅周辺も開発が進んでいるとは言い難い。なぜか商業施設は集積しているのに住宅は少ないのだ。周囲の住宅地でも、距離は橋本駅が近いにもかかわらず、バス路線は筑肥線の姪浜駅のほうが近いという地域が多い。

 このように、交通不毛地帯の解消を目的に建設された七隈線だが、沿線の開発は十分に進んでいるとは言い難い。最も需要があるのは、住民よりも福岡大学前駅を使う福岡大学の学生だったとも言える。

 だが、博多駅まで延伸し都心部へ直結することで、この状況も解消されるだろう。延伸部分での開発ばかりが注目されるが、これまで手つかずだった沿線の道路整備や周辺の住宅地を結ぶバス路線の検討がどう進むかに、今後注目が集まる。

全てのコメントを見る