増え続ける「新モビリティ」と歩行者は共存できるのか そもそも街の主役は誰? 阪急バス「シニアカー乗車OK」で考える

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モビリティの進化や普及に伴い、高齢者・障害者の外出ハードルは低くなった。その一面で、歩行者や自転車などとの今後の共存が問われている。

シェアサービス拡大で新たな問題も

シニアカー(画像:写真AC)
シニアカー(画像:写真AC)

 ただし、誤解されやすいのだが、自転車ナビマーク・自転車ナビラインに自転車優先の意味はない。これを誤認して交差点での事故、路肩に駐停車している自動車とのトラブルも起きている。事故やトラブルをなくしていくためにも、今後は交通ルールとマナーが徹底的に順守されることが望まれる。

 自転車の走行空間が整備されたことで歩行者と自転車の分離が図られ、自転車の問題は解決に一定のメドが立った。しかし、それで道路の問題がすべて解決したわけではない。道路空間には、次から次へと新しい課題が浮上してくる。

 近年、自転車のシェアリングサービスが拡大し、それに伴い違法駐輪・放置自転車の問題が深刻化した。電動キックボードが話題になると、それに関するトラブルも頻発した。また、子育て支援の機運が高まるにつれ、道路空間でもベビーカーへの配慮がなされるようになる。

 ベビーカーの問題は、道路のみならず鉄道・バスといった公共交通機関の車内でも議論が続けられている。現在、ベビーカーの公共交通利用に関しては、車いすと共用できるフリースペースを設置することで一定の解決が図られている。

 そして、昨今は電動車いすやシニアカーとの共存が模索されている。2016年、国土交通省は「ハンドル形電動車椅子の公共交通利用等に関する調査検討委員会」を開催。同委員会では、シニアカーの普及による課題点などを整理された。

 同委員会の議論を経て、国土交通省はシニアカーを手動式の車いすと同様の対応とするとの結論を打ち出す。手動式の車いすは鉄道やバス車内に持ち込む際、無料手回り品の範囲の特例扱いとなる。2018年からは、シニアカーも無料手回り品という扱いになった。

 ただし、近年になってシニアカーは高性能化すると同時に大型化する傾向にある。そのため、鉄道・バス利用ができるシニアカーは寸法や回転性能による制限が課せられた。そして、それをクリアしたシニアカーは駅係員などの第三者でも判別できるように所定のシール貼付が条件として課せられた。

 こうした交通弱者への対応は進んでいるが、現実的には鉄道・バス事業者が人手不足を理由に対応を拒否したり、車両構造の問題からシニアカーの利用を不可にしてきたりした。

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