パンダも真っ青? 近年、客寄せアイテム化する「鉄道模型」の奥深き世界
横浜にある鉄道模型ファンの「聖地」

鉄道模型ファンの聖地とも言える施設が、2012年7月にオープンした原鉄道模型博物館(神奈川県横浜市)だ。
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世界的鉄道模型コレクター、鉄道模型製作者である原信太郎氏のコレクション約6000車両の中から約1000車両を一般公開している。ほかでは類を見ない本格的な鉄道模型ミュージアムだ。
ビルイン型で延べ床面積約1700平方メートル、展示面積約1200平方メートルとコンパクトな施設ではあるが、オープン当初は年間約30万人を集客している。
一番の目玉は、一般公開されている1番ゲージの室内ジオラマでは世界最大級の「いちばんテツモパーク」。その迫力は実際に体験すると圧巻である。本物と同じ素材や構造で製作していることからリアルな音が楽しめ、時にはパンタグラフがスパークするなど非常に臨場感がある。
鉄道模型施設の強み

鉄道関連の集客施設で代表的なものは鉄道博物館(埼玉県さいたま市)などの鉄道ミュージアムで、鉄道ミュージアムは年間100万人を超える集客ポテンシャルを持っている。
ただ、車両本体の展示をメインとしていることから、必然的にある程度の敷地規模を必要とせざると得ない。また、事業主体はおおむね鉄道事業者やその関連団体に限られている。
一方、鉄道模型をメインとする施設はメーカーやコレクターなどによるもので、その規模や形態も多種多様だ。場所を取るとは言うものの、鉄道車両本体と比較すればはるかにコンパクトであり、誰でも設置できるものであることから、幅広い活用が見られる。大型のジオラマで鉄道模型が走行している様は誰でも楽しめ、それだけでも集客装置となるものだ。
鉄道ミュージアムのような大型施設だけでなく、例えば鉄道模型専門店では販促としてレンタルレイアウトを提供していることが多い。レンタルレイアウトをメインとした専門店も増えた。
かつて鉄道模型専門店は敷居の高い雰囲気があったが、最近は「ポポンデッタ」のように明るいデザインの店舗の商業施設への多店舗展開が見られる。また、専門店でなくとも鉄道居酒屋などさまざまな業態でレイアウトを設置しているケースが見られるようになった。