エキュートで「エキナカ」概念を創造! 都市開発で輝く「JR東日本」の絶対的実力
注目された高架下開発

さらに、注目されたのが高架下開発である。
2010(平成22)年に「2k540 AKI-OKA ARTISAN」、2013年に「CHABARA AKI-OKA MARCHE」を秋葉原駅~御徒町の高架下にオープン。同施設は職人のものづくりをテーマに、クリエイターの工房的店舗を集積させ、CHABARAは日本の食をテーマにした店舗が入居した。
ワークショップを開催する体験型店舗が含まれたことも特徴である。それまでの都市部の商業施設は人の流れの多い駅周辺の繁華街に集中して開発されていたが、目的性の高い店舗を導入することによって、高架下というデッドスペースを新たな商業立地に変えたと言える。
さらに2014年には「阿佐ヶ谷アニメストリート」(阿佐ヶ谷駅~高円寺駅の高架下、2019年に営業終了)、2020年には「日比谷OKUROJI」(有楽町駅~新橋駅の高架下)をオープンさせている。
これらの高架下開発はいずれも地域性を重視した開発コンセプトを設定し、それぞれ独自の特徴があるが、その地域特性を読み間違えると人の多い繁華街でない分、難しい立地であることも提示してくれた。現在、その他の私鉄でも高架下開発が推進されている。
コロナ収束後の商業施設の行方

JR東日本は大型都市開発プロジェクトも推進してきたが、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大によって、国内の都市開発を取り巻く環境も激変している。
都心では東京オリンピック・パラリンピック開催による国内客やインバウンドの集客拡大を見越し、大手デベロッパーの大型プロジェクトが幾つも進捗(しんちょく)していた。しかし、東京オリンピック・パラリンピックの開催延期とともに大型プロジェクトのオープンも延期され、結局、東京オリンピック・パラリンピックは無観客試合に、大型プロジェクトはコロナ禍でのオープンとなった。
JR東日本は2020年8月に「JR東日本四季劇場」「アトレ竹芝」「メズム東京、オートグラフ コレクション」(JR東日本グループホテル、265室)などからなる大型複合施設「ウォーターズ竹芝」(東京都港区)をオープンさせている。
今後、コロナの感染拡大が収束したとしても、オンラインショッピングの台頭などにより、消費者がリアルの商業施設を利用する状況は元通りにはならないと考えられている。リモートワークもある程度は継続され、外出する機会やモチベーションも変化していくだろう。
そもそも、生活者の意識自体、コロナ禍では仕事より家庭を重視するようになったり、日常生活や地域を重視するようになったりと変化してきている。
また、商業施設を構成するナショナルチェーンのテナントはコロナ以前から業績を後退させており、コロナを期に大幅に店舗を減少させたり、撤退したりするブランドも相次いでいる。そのため、従来の商業施設開発のスキームではもはや床を埋めきれなくなってきているのが実情である。