エキュートで「エキナカ」概念を創造! 都市開発で輝く「JR東日本」の絶対的実力

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JR東日本系デベロッパーは、新しい発想の開発を打ち出して注目されている。しかし、2020年からの新型コロナウイルスの感染拡大で、国内の都市開発を取り巻く環境も激変。今後どうなるのか。

都市開発で存在感を見せるJR東日本

JR東日本のロゴ(画像:JR東日本)
JR東日本のロゴ(画像:JR東日本)

 大手鉄道事業者は、歴史的にも都市開発に大きく関わってきた。近年の都市開発シーンで存在感を見せているのが、JR東日本だ。

 2001(平成13)年の完全民営化以降、さまざまな商業施設開発を推進している。2000年代は「いざなみ景気」の真っただ中だったが、バブル崩壊後の長い景気後退を経て消費者の生活志向が変化し、商業デベロッパーは消費者ニーズをなかなかつかめなくなっていた時期だ。

 それまで都市開発をリードしてきた私鉄系デベロッパーもバブル崩壊によるリゾート事業、百貨店事業などの低迷を引きずり、当時の開発シーンでは精彩を欠いていた。

 そんななか、JR東日本系デベロッパーは新しい発想の開発を打ち出して注目され、全国にそのビジネスモデルが拡大するようになっている。

ターミナルに隠れていたビジネスチャンス

エキュート東京のウェブサイト(画像:JR東日本)
エキュート東京のウェブサイト(画像:JR東日本)

 まず、注目されたのは「エキナカ(駅改札内)」開発である。2005(平成17)年にオープンした「ecute(エキュート)」はエキナカの可能性を提示して注目を集めた。そもそも、エキナカという言葉自体、同施設の登場によって一般に普及したものだ。

 駅利用者のための商業施設としては駅ビルがすでに全国で整備済みであり、都心ではファッションビルと化していた。駅改札内の小売り業態としてはキオスクやニューデイズ、駅そばなどの小規模な店舗、外食などのチェーンなどが出店している状況で、それらは主に駅利用者の利便性をサポートするものだった。

 ecuteは駅空間と商業空間を一体化させ、それまでの不動産業的な発想ではなく、マーチャンダイジング(商品化計画)コンセプトも一貫して総合的に構築した点が新しかった。

 現在、エキナカ業態以外の「mAAch ecute 神田万世橋」も含め、15店舗のecuteや「ecuteEDITION」が営業している。

 2005年の12月には東京メトロが同じくエキナカ商業施設である「Echika(エチカ)」をオープンさせた。

 これらのエキナカ開発は、大量の人が行き交う広域交通網のターミナルに大きなビジネスチャンスがあることを示唆した。そして、高速道路のサービスエリアにおける商業施設開発「ミチナカ」、空港ターミナルにおける商業施設開発「ソラナカ」の開発も活発化していくことになる。