「路線バスが来ないんですけど…」 なぜ日本人の「10%強」が移動手段を失いつつあるのか? 暮らしを支える移動インフラの再編

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全国2740か所に拡大し、全人口の1割強に影響する「交通空白」。地域経済を揺るがす深刻な供給不足に対し、政府は最大1億円の補助金で交通の水平分業化やDXを促す。スクールバスなど既存車両の多目的活用や自動運転を軸に、持続可能なモビリティ網と経済基盤の維持を目指す、新たな産業変革の潮流を追う。

既存送迎車両の活用と新たな運営体制

DXのイメージ(画像:Pexels)
DXのイメージ(画像:Pexels)

 こうしたなかで現実的な手段として注目を集めるのが、スクールバスなど既存の送迎車両の活用である。これまでは教育施設や福祉施設専用の車両として扱われてきたが、交通空白地区の拡大を受けてその役割が変わりつつある。

 これらの車両は、ルートや運行時間、運転体制が整っている準公共インフラの側面を持つ。新たな輸送網を作るのではなく、稼働していない空き時間を生かし、別の用途にも使い回すことで運ぶ力を割り振る。公共ライドシェアやデジタル配車基盤をつなぎ、通学や通院、観光、住民の移動をまとめた効率的な輸送ネットワークを目指している。

 自動運転やDX(デジタルトランスフォーメーション)の導入は、運行を効率化するだけでなく、運用上の業務範囲や負担の所在を変える性質を持つ。自動運転の実装はドライバー不足を補う。それと同時に、業務の中心が車両の維持管理や遠隔監視へと移り、地域における雇用のあり方を変化させる。

 民間と行政が協力して輸送力を担う公共ライドシェアの広がりも、地域全体の移動網を維持する新たな運営形態への移行を促す。

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