なぜ世界は「日本の軽自動車」を真似し始めたのか? 欧州「30モデル以上」消失の小型車市場、制度変化が生む新たな市場構造とは

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高価格・大型化に傾倒してきたEV市場の前提が崩れつつある。欧州が2025年秋の導入を睨む新区分「M1e」は目標価格約280万円。米国の規制緩和や日本の軽EVの隆盛も含め、世界は日本の「軽」に近い超小型枠へ急旋回している。背景にある中価格帯の空白と、新制度がもたらす地殻変動を構造的にひも解く。

小型EVに挑む大手各社

「E-Car」プロジェクトのプレスリリース(画像:Stellantis)
「E-Car」プロジェクトのプレスリリース(画像:Stellantis)

 中価格帯EVの品ぞろえ不足に対応するため、小型EVを投入する動きが出ている。フィアット、プジョー、クライスラーなどを傘下に持つStellantisは、2028年を目標に小型EV「E-Car」の開発を進めている。新設が検討されている車両区分「M1e」に合わせた位置づけで、「手頃な価格で買える小型で見た目にも配慮したEV」という需要に応える狙いがある。

 さらに「M1e」では、車両1台あたり1.3台分として扱うCO2排出クレジットの優遇措置も検討されており、他の自動車メーカーにも小型EVの投入が広がる可能性がある。

 中国の比亜迪(BYD)は、2026年の夏に軽EV「ラッコ」を日本に投入する計画だ。これにより日本市場では、日産「サクラ」、三菱「eKクロスEV」、ホンダ「N-ONE e:」「N-VAN e:」、さらにトヨタ・ダイハツ・スズキの3社が共同開発した軽バンEV、そして「ラッコ」が加わり、軽EVの選択肢がそろいつつある。

 BYDは「M1e」区分の動きも見ており、将来的に「ラッコ」の欧州投入も視野に入れている。「M1e」や米国の超小型車区分が制度として固まれば、軽EVは価格の安い車という枠にとどまらず、制度に合わせた車として世界のEV市場に影響を与える可能性がある。

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