トヨタ、「次世代EV」開発中止は何を意味するのか? EV市場が“一枚岩”で語れなくなった根本理由

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トヨタのレクサス次世代EV「LF-ZC」量産見直しは、EV需要が米欧中で8~47.9%とばらつく中で進む判断だ。電池価格低下やHV需要も絡み、量産時期の見極めが各社戦略の焦点となっている。

戦略再編を左右する外部変数

リチウムイオン電池の価格予測(BEV/PHEV/HEV)。McKinsey&Companyの資料を基に作成(画像:阿伏兎崎ひびき)
リチウムイオン電池の価格予測(BEV/PHEV/HEV)。McKinsey&Companyの資料を基に作成(画像:阿伏兎崎ひびき)

 判断が変わる条件としては、電池の値段、国や地域の政策、中国メーカーの海外展開がある。

 電池の値段は年ごとに下がっており、マッキンゼーの報告では2025年のリチウムイオン電池パックは8%下がって1kWhあたり108ドルとなった。2018年と比べると半分以下である。このまま年8%の下落が続けば、2030年には71.2ドル、2035年には46.9ドルとなり、今から10年ほど先にはさらに半分以下の水準になる。マッキンゼーは2035年時点でNMCが75~90ドル、LFPが55~65ドルになるとも見ている。電池価格の下落は車両価格の下落につながり、EVの広がりを後押しする可能性がある。

 国や地域の政策では、米国のような大きな方針転換に加え、補助金、充電網の整備、関税、現地生産の優遇などがある。近年は保護貿易の動きも強まっており、市場の動きを見ながらEVとHVのどちらを作るかに加え、輸出するか現地で作るかの判断も必要になっている。

 中国メーカーの海外展開も影響が大きい。市場での占有率だけでなく、技術の進み方にも関わる。中国メーカーは現時点では米国では限られた動きにとどまるが、欧州では販売を伸ばし、現地生産も広げつつある。ただし、この状況も米国や欧州の政策次第で変わる可能性がある。

 いずれにしても条件が変われば判断も変わるため、将来の動きを想定しながら量産の時期を決めることになる。読者は今回のトヨタの判断を後退と見るのか、それとも市場の広がりを待つ動きと見るのかが問われる。

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