千葉が誇る「世界一のモノレール」――通過点だった都市が滞在拠点へ? 宿泊と交通が交わる新しい都市利用の形とは
千葉都市モノレールは年間輸送2016万人、営業収益37億3300万円で過去最高を更新した一方、更新費用や公的支援への依存は続く。世界最長の懸垂型として景観価値を持ちつつ、収益化と運営負担の両立が課題となる。
高コスト構造と周辺連携の課題

年間輸送人員と営業収益が過去最高となった千葉都市モノレールだが、運営上の負担は今も残っている。
初期投資の重さは2006(平成18)年に一度整理され、単年度黒字に転じたものの、千葉市などによる公的支援は現在も続いている。
今後は車両を含む設備の更新が避けられない。懸垂型は採用事例が少なく、他方式に比べて使い回しが利きにくい。そのため更新費用も高くなりやすく、引き続き公的支援が必要になる見通しである。
なお、当初計画されていた1号線の県庁前~市立青葉病院間の延伸や、稲毛方面への路線(穴川駅~JR稲毛海岸駅間)の構想は、2019年の千葉市の公式発表でいずれも中止となった。費用と効果の見合いを検討した結果とされるが、懸垂型の建設や維持にかかる費用の大きさも影響したとみられる。
一方で、景観面では懸垂型は強みを持つ。車窓からの見え方や街との近さは特徴となっている。ただし、千葉都市モノレールの主な役割は通勤や通学の輸送であり、景観は付加的な要素にとどまる。
景観の価値を収益にどこまで結びつけられるかは見方がわかれる。とくに外からの眺めは運賃収入に直結しないため、写真や動画の撮影だけで終わり、乗車や消費につながらない利用者が増える可能性もある。
今後は、冒頭で取り上げたモノレールの眺めを生かしたホテルのように、周辺の事業者と連携しながら収益につなげる取り組みがより重要になるだろう。