千葉が誇る「世界一のモノレール」――通過点だった都市が滞在拠点へ? 宿泊と交通が交わる新しい都市利用の形とは
千葉都市モノレールは年間輸送2016万人、営業収益37億3300万円で過去最高を更新した一方、更新費用や公的支援への依存は続く。世界最長の懸垂型として景観価値を持ちつつ、収益化と運営負担の両立が課題となる。
過去最高を更新した経営の回復

近年、「世界一のモノレール」として景観面で注目される千葉都市モノレールだが、計画と開業の段階では、都市が抱える交通の問題を解消するための移動手段として位置づけられていた。
千葉市の内陸部では、高度経済成長期に大規模な宅地開発が進み、人口が急速に増えた。一方で、駅から離れた住宅地ではバスへの依存が強くなり、道路の渋滞も常態化していた。こうした状況のなかで、1988(昭和63)年に最初に開業した2号線のスポーツセンター~千城台間は、郊外の住宅地とJR都賀駅を結ぶ区間として整備された。その後、1999(平成11)年までに1号線を含む全区間が開通している。
ただし、初期投資にともなう減価償却費の負担が大きく、開業当初から赤字が続いた。そのため、県や市からの貸付などによって運営を支えた。2006年度には公的支援のもとで累積損失を解消し、減価償却費の見直しや支払利息の削減を進めた結果、同年度以降は単年度で黒字となった。
初期投資が大きくなった背景には、沿線に高低差が多いことや、道路の通行をできるだけ止めずに短期間で工事を進める必要があったことがある。そのため、建設費がかかる懸垂型が採用されたとされる。
その後はコロナ禍で一時的に赤字となったが、2024年度(2024年4月1日~2025年3月31日)の決算では回復が進んだ。年間輸送人員は延べ2016万人(前期比105.3%)、営業収益は37億3300万円(前期比105.3%)となり、いずれも過去最高を更新した。営業利益は1億8600万円の黒字、経常利益は2億5300万円の黒字である。