千葉が誇る「世界一のモノレール」――通過点だった都市が滞在拠点へ? 宿泊と交通が交わる新しい都市利用の形とは
千葉都市モノレールは年間輸送2016万人、営業収益37億3300万円で過去最高を更新した一方、更新費用や公的支援への依存は続く。世界最長の懸垂型として景観価値を持ちつつ、収益化と運営負担の両立が課題となる。
希少な懸垂型が生む都市の独自性

軌道の上にまたがって走る方式が跨座型モノレールであるのに対し、懸垂型モノレールは軌道から車両がぶら下がる形で走行する方式である。
跨座型と比べると、懸垂型は曲線や勾配に対応しやすく、工事期間を短くできるといった利点がある。一方で、建設費が高くなる傾向があり、日本で営業運転を行っているのは
・千葉都市モノレール
・湘南モノレール
の2事業者に限られている。世界的に見ても導入例は多くなく、珍しい方式とされる。
車両は軌道からぶら下がる形で走るため、車両の下側に障害物がない。そのため、車窓からは低い位置を移動しながら街を見下ろすような視界が広がる。
このような構造により、都市のなかを走る姿そのものが特徴的な景観となっている。千葉市は2010(平成22)年12月に策定した景観計画を2023年9月に改訂した際、都市の特徴を示す要素として千葉都市モノレールを景観資源に加えている。
今回ホテルを開業した拓匠開発グループは民間企業であるが、千葉市が進める千葉公園の「賑わいエリア」や「ドーム前広場」の整備・運営事業(Park-PFI)に、代表企業として大和リースとともに関わっている。千葉公園を含む千葉駅公園口一帯では、「ネバーランド構想」と呼ばれるまちづくりの取り組みが進められている。
千葉市が大部分の株式を保有する千葉都市モノレールを眺めの対象として活用する今回のホテルも、この構想の一部として位置づけられている。