「ホンダ流」の再起動! 新型EV「予約7000台」が示す二輪発の勝ち筋、四輪・二輪の再定義が進む企業構造転換
ホンダの2025年3月期決算は、四輪売上14兆4678億円に対し二輪は3兆6266億円と規模で劣る一方、営業利益は二輪6634億円、四輪2438億円と収益力が逆転する構図が鮮明となった。アジアで2057万台を売る二輪の稼ぐ力が、EV戦略転換を迫られる四輪の投資と再編を下支えしている。
二輪のDNAで挑む小型EVの勝機

ホンダが進もうとしている道筋は、二輪事業が稼ぎ出す利益を、四輪事業のなかでも伸びしろのある分野へ思い切って注ぎ込むことにある。14兆円を超える売上規模を誇る四輪事業だが、これからは収益の上がりにくい領域に区切りをつけ、ハイブリッド車や小型乗り物の分野へ人や資金を厚くしていく。
2026年5月22日に世に送り出された新型の小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」は、まさにその変化を形にしたものだ。4月16日の予約開始からわずか1か月ほどで7000台もの申し込みがあり、日本統括部を率いる川坂英生部長も、「想定を上回る」と手応えを口にしている(『日刊工業新聞』2026年5月25日付け)。
この新しい車は、軽のEV「N-ONE e:」と土台を揃えることで手際よく開発を進めており、二輪事業で培われた無駄のない物作りの考え方を四輪の世界へと広げた。50代の男性層を中心に、趣味を楽しむための道具として選ばれており、日本での勢いをそのままに、1年以内には英国やアジアの街中にも現れる予定だ。
暮らしに寄り添う移動手段を長年手がけてきた知見は、小型EVを広めていくうえで大きな武器になるに違いない。今ある事業の利益を、未来の成長を見込める場所に振りわける。こうしたお金の使い方の筋を通す姿勢は、日本の物作りが次の時代へ進むための、ひとつの道標になるのではないだろうか。