「ホンダ流」の再起動! 新型EV「予約7000台」が示す二輪発の勝ち筋、四輪・二輪の再定義が進む企業構造転換
ホンダの2025年3月期決算は、四輪売上14兆4678億円に対し二輪は3兆6266億円と規模で劣る一方、営業利益は二輪6634億円、四輪2438億円と収益力が逆転する構図が鮮明となった。アジアで2057万台を売る二輪の稼ぐ力が、EV戦略転換を迫られる四輪の投資と再編を下支えしている。
成熟技術が生む二輪の圧倒的利益

二輪事業の強みについて考えるとき、製品が新興国で人々の暮らしを支える土台となっている事実は見逃せない。
2025年3月期、アジアでの二輪販売台数は1747.8万台にまで増え、ホンダが世界で売る2057.2万台のほとんどを占めるまでになった。インドやベトナム、タイといった国々で、二輪車は荷物を運び、経済を回すために欠かせない、社会の一部として溶け込んでいる。こうした場所で求められるのは、きらびやかな先端技術というよりは、むしろどこまでも壊れにくく、直しやすく、そして必要な部品がいつでも手に入るという安心感なのだろう。
ホンダは長年磨き上げたエンジンの技術や、効率よく物を作る知恵を巧みに使い、二輪事業の営業利益を前の年の5562億円から6634億円へと押し上げた。使い勝手の良い車両を膨大な数で動かし、部品の形や作り方を揃え抜いたことが、数字となって表れている。
長く使い込まれた技術による無駄のない生産の仕組みは、これから現れる小型乗り物たちの形を決める道標のようにも見える。二輪で築いた揺るぎない土台が、いま、四輪側の変革を支える力へと広がり始めている。