“脱中国”は本当に可能なのか? レアアース9割依存の現実、「ハイブリッド車」を直撃するサプライチェーンの死角とは
イラン情勢緊迫で露呈したナフサ不足と、中国が精錬の9割を握るレアアース問題。資源小国・日本が抱える「構造的弱点」を克服する鍵は、安易な脱中国ではない。2026年の激動する地政学リスクを前に、経済を「相互人質」とする高度な依存関係の構築こそが抑止力となる。モビリティ産業の未来を占う、逆転の安保論。
相互人質化による戦略的対話

グローバルサプライチェーンの再編が加速するなか、企業は従来の延長線上にないリスク管理を迫られている。産業の高度化にともないサプライチェーンはさらに複雑化し、日本が採るべき戦略の難度は増すばかりだ。
経済安全保障の強化には政府と企業の緊密な連携が欠かせないが、その前提として
「脱中国依存は一朝一夕には実現しない」
という現実を直視しなければならない。中国市場とは切っても切れない関係にあるという認識のもと、実利に基づく対話を維持することこそが地政学リスクの抑止力となる。
同時に、今回のイラン情勢にともなうナフサ不足が示すように、特定の同盟国に外交を依存するリスクも改めて問われている。多角的な国際関係の構築もまた、経済安全保障戦略の重要な柱として位置づけるべき時期に来ているのではないだろうか。