“脱中国”は本当に可能なのか? レアアース9割依存の現実、「ハイブリッド車」を直撃するサプライチェーンの死角とは

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イラン情勢緊迫で露呈したナフサ不足と、中国が精錬の9割を握るレアアース問題。資源小国・日本が抱える「構造的弱点」を克服する鍵は、安易な脱中国ではない。2026年の激動する地政学リスクを前に、経済を「相互人質」とする高度な依存関係の構築こそが抑止力となる。モビリティ産業の未来を占う、逆転の安保論。

経済的相互依存による対中抑止

サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)
サプライチェーンのイメージ(画像:Pexels)

 ここまでの論旨に対し、

「結局、中国依存は仕方がないといいたいのか」

という批判が出るかもしれない。中華人民共和国の現体制に反発する立場からすれば、当然の疑問だろう。断っておくが、「脱中国依存は簡単ではない」という現実認識と、「政治・外交面で中国に屈従する」こととはまったく別の話だ。そこに中国封じ込めの可能性を探る余地がある。

 ひとつの補助線として、イラン情勢への中国の対応を見てみたい。中国は原油の主要輸入先として中東に大きく依存しており、イランもその一角だ。一方でUAEなど他の中東諸国も重要な調達先であることから、中国としてはイラン情勢の穏便な収束が本音であろう。近年では珍しいほどの静観的姿勢の背景には、こうした利害計算があると見られる。

 レアアース等のサプライチェーン問題に視点を戻すと、先進国が中国の工業製品に依存しているという事実は、裏を返せば

「中国の国内雇用が先進国の需要に支えられている」

ことを意味する。経済的相互依存が深まるほど、どちらの側も極端な外交・軍事行動に踏み切りにくくなる構造だ。

 この非対称な依存関係を逆手に取る発想が、現実的な対中戦略の核心になり得る。多国間協力を基盤とした経済安全保障体制の構築を追求しつつ、中国との対話を維持しながら緊張緩和を図る。

 率直にいえば、互いの経済を「相互人質」とする高度な依存関係を意図的に構築し、

「日本との関係悪化は自国のハイテク産業・経済安定にとってマイナスだ」

と中国側に認識させることが、抑止力として機能しうる。完全な脱中国よりも、はるかに実現可能な方策ではないだろうか。

 もちろん、経済的利害を度外視した強硬な軍事・外交行動に出るリスクは常に残る。しかし逆に、早急な中国離脱は反日感情を高め、中国を過激な行動へと駆り立てる可能性もはらんでいる。

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