「これ、誰の電気で走ってるの?」 13%の自給率しか持たない日本で進む、EVと地域エネルギーが結びつくモビリティ再設計

キーワード :
, ,
自給率12.6%、化石燃料依存度80%超という日本の脆弱なエネルギー構造を、EVシフトが根底から揺さぶる。鍵を握るのは「地産地消」の進化だ。霧島酒造はサツマイモ発電で年間850万kWh、2400世帯分を賄う電力を創出し、走行への還元に挑む。製造と物流が地域で完結する、新たな産業循環モデルの全貌を追う。

自給率12.6%、エネルギーの課題

EV充電サインのイメージ(画像:Pexels)
EV充電サインのイメージ(画像:Pexels)

 エネルギーの安定供給は、私たちの暮らしや経済、そして移動を支えるモビリティ産業にとって、いわば土台そのものだ。しかし、この足元がひどくおぼつかない。資源エネルギー庁がまとめた「主要国の一次エネルギー自給率比較(2022年)」を見ると、日本の自給率はわずか12.6%。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で37位という数字は、資源の乏しさを改めて突きつける。

 実態はさらに深刻だ。「総合エネルギー統計」の2023年度速報値によれば、国内で使うエネルギーの80.8%を化石燃料が占める。その入り口を財務省の貿易統計で追うと、原油の99.7%、天然ガスの97.9%、そして石炭の99.7%を海外に頼り切っている。これでは、海の向こうで何かが起きるたびに、日本の移動の自由が脅かされかねない。

 進む電気自動車(EV)シフトは、こうした構造を変えるきっかけになる。外から買うしかなかった化石燃料と決別し、自前のエネルギーで車を走らせる。その内製化への動きは、モビリティのあり方を根本から、そして地道に高めていくための確かな歩みといえるだろう。

全てのコメントを見る