「これ、誰の電気で走ってるの?」 13%の自給率しか持たない日本で進む、EVと地域エネルギーが結びつくモビリティ再設計
自給率12.6%、化石燃料依存度80%超という日本の脆弱なエネルギー構造を、EVシフトが根底から揺さぶる。鍵を握るのは「地産地消」の進化だ。霧島酒造はサツマイモ発電で年間850万kWh、2400世帯分を賄う電力を創出し、走行への還元に挑む。製造と物流が地域で完結する、新たな産業循環モデルの全貌を追う。
自給自足が支える次世代物流
こうした動きがもたらす影響は、個人の利用にとどまらず、産業が動く仕組みそのものへと広がり始めている。なかでも、商用車や物流のネットワークが自律的に回りだす過程は見逃せない。
年間850万kWhという、一般家庭2400世帯分に匹敵する発電力を後ろ盾に、原料を運ぶトラックや製品を届けるEVが、自らの製造工程から生まれた電気で走りだす。そんな光景が現実味を帯びてきた。つくること、エネルギーを生むこと、そして運ぶこと。これらがわかちがたく重なり合う、地域で完結した循環の形だ。
これまでは、エネルギーといえば外から買ってくるのが当たり前だった。しかし、身近にある資源を巡らせ、移動に必要な力を自ら賄う。そんな仕組みへの移り変わりは、これからの社会を支える土台がどこへ向かっていくべきか、その道筋をはっきりと示しているように思う。