「これ、誰の電気で走ってるの?」 13%の自給率しか持たない日本で進む、EVと地域エネルギーが結びつくモビリティ再設計
自給率12.6%、化石燃料依存度80%超という日本の脆弱なエネルギー構造を、EVシフトが根底から揺さぶる。鍵を握るのは「地産地消」の進化だ。霧島酒造はサツマイモ発電で年間850万kWh、2400世帯分を賄う電力を創出し、走行への還元に挑む。製造と物流が地域で完結する、新たな産業循環モデルの全貌を追う。
背景の見える充電体験の価値

霧島酒造の取り組みを見れば、焼酎の製造工程で出る焼酎粕や芋くずは、もはや「残りもの」ではない。これらをバイオマス燃料へと変え、工場の熱源や電力として使い切る。2014(平成26)年からは、自家消費で余ったバイオガスを電気にするプラントを本格的に動かし、電力を外へ供給する事業も行っている。今やバイオガスの利用率は、100%に近い数字まで引き上げられた。
その規模感も、一企業の枠に収まらない。実際の発電量は年間850万kWh。これは一般家庭2400世帯分が1年間に使う電力量に匹敵する。地域を支えるエネルギー源として、十分な実効性を備えているといえるだろう。
こうした地域に根ざしたエネルギーを、テラチャージの技術を借りてモビリティの動力へと結びつける。この試みは、移動という行為に、これまでになかった価値を付け加える。どこで、何から作られた電気なのか。その背景が透けて見える充電体験は、これからのインフラが進むべきひとつの道筋を照らしている。