デザイン「攻めすぎ」 日産「新型JUKE EV」は成功するのか?――「3期ぶり黒字」見通しで反転攻勢、再生の旗印となるか

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欧州EV戦略の中核として日産が投入する新型JUKEは、デザイン刷新と車載ソフト強化を軸に据えたモデルである。一方でサンダーランド工場の稼働低下や国内拠点再編など生産体制の縮小も進む。黒字回復見通しの下、持続的成長への転換を示す象徴として、その成否は2027年市場に委ねられる。

再生の命運を握る2027年の真価

新型「JUKE(EV)」(画像:日産自動車)
新型「JUKE(EV)」(画像:日産自動車)

 日産は新型JUKEの発表と同じ時期に、長期の方針も公表している。そのなかで新型JUKEは、事業を支える中心モデルとして位置付けられている。

 経営面でも、2026年5月13日に発表された2027年3月期の連結業績予想では、最終損益が200億円の黒字と、3期ぶりの黒字化を見込む。前期まで計上されていた構造改革にともなう巨額の減損損失やリストラ費用が一巡し、ようやく反転攻勢の準備が整った形だ。イバン・エスピノーサ社長が「今期も一貫して取り組みを徹底する。業績改善から持続可能性へと軸足を移す」と強調するように、新型JUKEはこの「持続可能な成長」への転換を象徴する役割を担うことになる(『日本経済新聞』2026年5月13日付け)。

 JUKEは2010年の登場以来、欧州で150万人を超える利用者に支えられてきた。2024年の実績では、欧州での販売38万台のうち約3割にあたる10万台を占めており、同地域での主力車種として役割を果たしてきた。

 その中心的な車種を、ブランド全体の立て直しを視野に入れた形で進化させたことになる。一方で、やや前に出た見た目やソフトへの依存が強まることで、他社との差が見えにくくなる懸念もある。

 うまくいけば、「感情面の価値とソフトの一体化」による新しいEV像を示すことになるが、失敗すれば欧州で築いてきた立ち位置を失うおそれもある。強い見た目の演出にすぎないのか、それとも戦略として必然なのか。その評価は2027年の市場が下すことになるだろう。

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