デザイン「攻めすぎ」 日産「新型JUKE EV」は成功するのか?――「3期ぶり黒字」見通しで反転攻勢、再生の旗印となるか
欧州EV戦略の中核として日産が投入する新型JUKEは、デザイン刷新と車載ソフト強化を軸に据えたモデルである。一方でサンダーランド工場の稼働低下や国内拠点再編など生産体制の縮小も進む。黒字回復見通しの下、持続的成長への転換を示す象徴として、その成否は2027年市場に委ねられる。
熾烈を極める欧州小型EV市場

欧州市場は、2020年ごろの見通しほど急速なEV化にはなっていないものの、中国メーカーが販売を伸ばしており、EV市場の競争は着実に激しくなっている。新型JUKEが属するコンパクトSUVのEV領域は、現時点では競合が多くないが、2026年秋にはVWが新型モデルの投入を予定しており、競争環境が大きく変わる可能性が高い。
このクラスの価格帯は、エントリーモデルで3万ユーロ(554万円)前後となる。つまり、これまでとはEVの買い手層が異なり、選ぶ際の基準も変わってきている。航続距離や室内の広さといった基本性能に加え、「見た目」と「操作画面や使い勝手」が競争力を左右する要素になりつつある。
今後の競争を見据えると、かつて「見た目で市場を開いた代表的なモデル」であるJUKEを再び投入する日産の判断には一定の合理性がある。新型JUKEは過去の延長ではなく、感情面の価値を軸にEV市場へ戻るモデルと位置付けられる。