デザイン「攻めすぎ」 日産「新型JUKE EV」は成功するのか?――「3期ぶり黒字」見通しで反転攻勢、再生の旗印となるか
欧州EV戦略の中核として日産が投入する新型JUKEは、デザイン刷新と車載ソフト強化を軸に据えたモデルである。一方でサンダーランド工場の稼働低下や国内拠点再編など生産体制の縮小も進む。黒字回復見通しの下、持続的成長への転換を示す象徴として、その成否は2027年市場に委ねられる。
需要に応じた多角的駆動戦略

新型JUKEは、現行のラインナップに新たに加わるモデルである。まず欧州の車種構成を整理すると、以下のようになる。
・EV:新型JUKE、MICRA、LEAF、ARIYA
・クロスオーバー:二代目JUKE、Qashqai、X-TRAIL
新型JUKEの投入によって、EVラインナップで不足していた部分が補われる形となる。ただし注目すべき点は、EVではないクロスオーバー群も同時に残り続ける点である。二代目JUKEはエンジン車とスプリット型ハイブリッドを採用し、QashqaiとX-TRAILはマイルドハイブリッドやe-POWERを組み合わせている。EVだけでなく、ハイブリッドやe-POWERなど複数の方式が併存する構成になっている。
この状況は、EV移行期における一時的な対応とも見られるが、地域ごとのEV普及の差を踏まえれば現実的な対応ともいえる。日産は全面的なEV移行に踏み切るのではなく、各市場の需要に応じて複数の選択肢を残す方針を取っている。