都内分譲マンションで進む「静かな分断」――自家用車所有率「47%」が示す駐車場収益の転換点
都内分譲マンションで、駐車場を巡る前提が揺らぎ始めた。車所有者の43.9%が将来的な「非保有」を検討する一方、SUV大型化やEV重量増で既存設備とのズレも拡大。空き区画と修繕費不安が同時進行する、都市住宅の新たな課題が浮かび上がっている。
空室と車両大型化の物理的乖離

今回の調査で目を向けるべきは、
・建物の設備
・車のサイズ
が引き起こしている摩擦だろう。自宅以外の駐車場を借りる理由を問うと、料金や空き状況といった事情に並んで、車のサイズや重さが制限を超えてしまう、という回答が挙がっている。比率は8.9%に留まるものの、現在の住宅事情と車のトレンドが真っ向からぶつかっている現実が見て取れる。
1990年代から2000年代に建てられた都心のマンションでは、機械式駐車場が多く採用された。当時はセダンが主流で、幅や重さも当時の基準に合わせた枠組みで作られていたからだ。ところが今は、スポーツタイプ多目的車(SUV)の人気や電動化にともなう重量増が進んでいる。駐車場という空間そのものは存在していても、物理的な入庫条件を満たせなくなっているわけだ。
メーカーが利益を求めて大型化へかじを切る一方で、建物という動かせない基盤は数十年前の基準に縛られたままである。最新の電気自動車(EV)や高性能なSUVを選ぼうとする住民ほど、自宅の設備から弾き飛ばされる。これは
・製品の進化
・インフラの固定化
が生んだ、物理的な壁による拒絶といえるだろう。