都内分譲マンションで進む「静かな分断」――自家用車所有率「47%」が示す駐車場収益の転換点
都内分譲マンションで、駐車場を巡る前提が揺らぎ始めた。車所有者の43.9%が将来的な「非保有」を検討する一方、SUV大型化やEV重量増で既存設備とのズレも拡大。空き区画と修繕費不安が同時進行する、都市住宅の新たな課題が浮かび上がっている。
合理的選択が招く構造的矛盾

この問題をよくいわれる
「若者の車離れ」
という一言で片づけてしまうと、本質を見落としかねない。実際には、住宅が作られた当時の条件と、現代の車両の大型化、暮らし方の移り変わり、維持費の膨らみ、そして使う頻度の低さが同時並行で進んでいる。
それぞれの立場を見れば、誰もが理にかなった動きをしている。住民は支出を削り、メーカーは稼げる大きな車を売り出し、管理組合は将来のお金を守ろうとする。建てる側もまた、限られた土地を使い切るために建物の形を固めてきた。
こうしたひとりひとりの正しい判断が重なった先に、今の
「空いているのに使いにくい駐車場」
というおかしな光景が広がっているのだろう。日々作り変えられる車と、数十年使い続けることを前提とした建物の間に、物理的な溝ができてしまった。誰もが最善を尽くしているはずなのに、全体で見ればうまく回らないという矛盾が顔を覗かせる。
本人の意思とは別のところで、建物の形そのものが移動のあり方を縛り始めているのだ。