都内分譲マンションで進む「静かな分断」――自家用車所有率「47%」が示す駐車場収益の転換点

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都内分譲マンションで、駐車場を巡る前提が揺らぎ始めた。車所有者の43.9%が将来的な「非保有」を検討する一方、SUV大型化やEV重量増で既存設備とのズレも拡大。空き区画と修繕費不安が同時進行する、都市住宅の新たな課題が浮かび上がっている。

修繕財源を脅かす駐車場の負債化

都内の分譲マンションに住む20~50代の男女703人を対象に実施した、カーライフに関する実態調査(画像:アズーム)
都内の分譲マンションに住む20~50代の男女703人を対象に実施した、カーライフに関する実態調査(画像:アズーム)

 分譲マンションに備え付けられた駐車場は、管理組合の運営を支える収益の源泉となっている。とりわけ多額の維持費を要する機械式駐車場を持つ物件では、そこからの利用料収入を前提に長期の修繕計画が組まれているのが通例だ。それゆえ、空き区画が目立ち始めれば、見込んでいた収入を守れなくなり、将来の修繕積立金が足りなくなる事態に直結しかねない。

 これまで車を所有する住民が納めてきた駐車場代は、マンション全体の維持管理費を実質的に肩代わりする役割を担ってきた。しかし、調査で明らかになった43.9%という非保有への移行意向が現実のものとなれば、この収支の枠組みは立ち行かなくなるだろう。内部的な補助金ともいえる駐車場収入が細る一方で、

・設備の保守点検
・将来的な入れ替え

には、依然として膨大な費用がかかり続けるからだ。

 稼働率が落ち込んだ設備は、費用を垂れ流し続ける負債へと姿を変える。最終的には、車を持たない住民までもが、使われない設備の維持費や撤去費用を、上乗せされた積立金として負担せざるを得ない状況に追い込まれる。

 所有者の減少は、車を持たない人にとっても自身の資産価値を脅かす重いリスクとして、等しくのしかかってくるのだ。

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