「洗車難民」を救えるか? 年間405拠点が消滅、拭き上げの負担を消す技術の正体

キーワード :
,
中古車価格の高止まりで、「洗車」が趣味から資産防衛へ変わり始めた。月1回以上洗う層は42%に達する一方、ガソリンスタンドは年間405か所減少。“洗車難民”が増えるなか、純水洗車が新たな収益源として急拡大している。

資産価値を維持する洗車ニーズ

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 車の美観を整える。その背後にある心理が今、大きく変わり始めている――。

 2024年4月にGFK Japan(東京都中野区)が行った、自動車オーナー1万5223人への大規模調査によれば、洗車の頻度は「月に1回程度」が25%で最多となり、月に1回以上洗う層は全体の42%に達している。この傾向は輸入車に関心を持つ層ではさらに顕著で、カレント自動車(神奈川県横浜市)が2025年9月に実施した105人への調査では、約79%が月1回以上の洗車を行っているという結果が出た。こうした数字からは、車を使い潰すだけの道具ではなく、大切に守るべき資産とみなすオーナーの姿が浮かび上がる。

 背景にあるのは記録的な中古車相場の高騰だ。車の価値が落ちにくい今の時代、こまめな手入れは趣味の域を超えている。将来の売却価格を見据え、手元の資産価値を守り抜くための理にかなった投資行動として、洗車が選ばれているのだ。

拠点減少と「洗車難民」救済の純水

1か月に1回以上洗車をする人は42%という結果に。「洗車に関する調査」より(画像:GFK Japan)
1か月に1回以上洗車をする人は42%という結果に。「洗車に関する調査」より(画像:GFK Japan)

 洗う場所が消えていく。そんな事態が起きている。

 これまで洗車の拠点だったガソリンスタンドの減少に歯止めがかからない。経済産業省が2025年3月にまとめたデータによれば、2024年度末の全国のサービスステーションは2万7009店。前年度末から405か所も姿を消した。洗いたい人は大勢いるのに受け入れる場が足りず、ネットで

「洗車難民」

という言葉が広まったのは必然だった。この需給のちぐはぐさが生んだ空白に、ひとつの光が差し込んでいる。それが

「純水」

を使う洗車だ。2026年2月に開催された「第23回国際オートアフターマーケットEXPO2026EXPO2026(IAAE2026)」の会場でも、洗車に特化した純水を作るための道具が数多く並び、業界関係者の視線を集めていた。

 この技術を用いたサービスが市場にどう関わり、稼ぎの仕組みをどう変えていくのか、その中身を読み解いてみたい。

全てのコメントを見る