「洗車難民」を救えるか? 年間405拠点が消滅、拭き上げの負担を消す技術の正体
中古車価格の高止まりで、「洗車」が趣味から資産防衛へ変わり始めた。月1回以上洗う層は42%に達する一方、ガソリンスタンドは年間405か所減少。“洗車難民”が増えるなか、純水洗車が新たな収益源として急拡大している。
美観とリセールを守る純水の威力

普段使う水道水には思いのほか多くの成分が混じっている。水処理大手のオルガノ(東京都江東区)が公開している情報によると、その不純物の量は50mプールに対して
「ドラム缶数本分」
にもなる。対して、不純物を極限まで省いた純水に含まれる量は、同じプールに角砂糖一個分。この極めて透明度の高い水を精製して洗うのが、純水洗車である。
水道水を使った洗い方と比べると、その利点ははっきりしている。ENEOSウイング(愛知県名古屋市)も指摘するように、水道水のミネラル分が固まってできるシミや汚れは、一度こびりつくと塗装を傷め、深刻なダメージになりかねない。
純水は水滴が乾いても跡が一切残らないため、こうしたトラブルを未然に防いでくれる。結果として車両の美しさが守られ、将来売却する際の査定価格を下支えすることにもつながるはずだ。
あらかじめ丁寧にケアしておくことで、後に必要となる研磨や再塗装の費用を抑える。これは一種の投資に近い。さらに、純水は拭き上げのときに生じる摩擦も和らげるため、塗装に細かな傷がつく心配も少なくて済む。市場価値の高いガラスコーティングを施した車なら、その性能を長く保ち、施工にかけた費用の元を取るための賢い選択といえるだろう。